麻酔科医師のお助け情報

●特殊な場合

術直後の脳循環が不安定となりやすい場合は直後の覚醒・抜管を行わず,鎮静を持続して循環管理する.

1)AVM切除,塞栓:特に術前シャント量が多い場合,AVM周囲脳の血管は拡張し反応性が低下している.その状態でAVMが切除されるとhyperperfusionとなり,脳浮腫.時に脳出血を生じる.これと同様の理由でAVM塞栓術(血管内治療)の場合も急激な脳循環の変化を来す場合があり,術後鎮静を持続する.比較的最近使用するようになったONYXによるAVM塞栓の場合がこれに該当する.(以前使用していた塞栓物質では脳循環に大きく影響するほどの塞栓は不可能だった)

2)CEA(頸動脈内膜剥離),CAS(頸動脈ステント)の一部(施設によってはCEA全例):CEA,CAS直後は虚血脳への再灌流によりhyperperfusionを来す場合がある.術前の脳血管反応性低下が大きい場合はその危険がある.術中,再灌流時の脳酸素飽和度が上昇し,それが持続する症例では注意が必要で,危険性が高いと判断された場合は直後の覚醒・抜管は行わず,鎮静を持続して循環管理する.CEAではペパリン使用下の手術で,時に術後出血により気道狭窄を生じ緊急再手術,緊急気管切開を要する場合がある.これも直後の覚醒・抜管を行わない理由となる場合がある.

3)破裂脳動脈瘤の塞栓術(coil embolization):前述のように,当院では破裂脳動脈瘤塞栓術では術後鎮静を持続し,翌朝覚醒・抜管している.術中ヘパリンを使用しており,直後の血栓化が十分ではないからである.むしろ術直後の神経症状確認を優先し,直後に覚醒・抜管する。

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