中耳内ガス換気の過程は明確ではないが、亜酸化窒素吸入で中耳内圧が上昇することによる、耳介後部痛などの報告が散見される。今回、われわれはこれら耳痛報告例の原因につき考察した。聴力が正常な9人15耳を対象とし、亜酸化窒素吸入濃度67%、セゾフルラン濃度2?2.5%の吸入麻酔で調節呼吸下に研究を行った。外耳道圧を測定し、コンプラインスピーク時の外耳道圧を中耳内圧とした。また側頭骨含気蜂巣面積と亜酸化窒素吸入時の中耳内圧平均上昇速度、亜酸化窒素洗い出し時の中耳内圧平均下降速度との関連を検討し、r=0.55、0.73の相関を得た。本研究により亜酸化窒素吸入および洗い出しでの中耳内圧の推移は含気蜂巣面積と相関することが示唆され、麻酔中の中耳内ガス換気状態が推察された。
キーワード:中耳内圧、含蜂巣面積、亜酸化窒素
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